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オレまに



佐祐理「祐一さん、祐一さん」

舞「起きろ・・・」

祐一「ん、ん〜」

変な目覚ましだ

俺は目覚ましを止めようと手を伸ばす

むにょ

むにょ? 俺の目覚ましって軟らかいんだっけ?

ずびしっ!

祐一「いっ」

俺は痛みと衝撃で飛び起きる

佐祐理「あははーっ おはようございます」

舞「・・・・・・」

祐一「おはようございます。舞もおはよ・・・ん?」

舞は真っ赤になって俯いている

祐一「どうかしたか?」

佐祐理「それは祐一さんが舞の」

ずびしっ!

佐祐理「きゃぁ」

祐一「舞の何だ?」

舞「なんでもない」

舞が何か言いたげな佐祐理さんを引きずって部屋を出てゆく

舞「ご飯、出来てるから」

う〜ん 佐祐理さんは何が言いたかったんだろう

祐一「しかし、3人で暮らし始めて1ヶ月か。早いものだな」

俺は着替えながらこの1ヶ月を思い出す

なにせ年頃の男女だけで一つ屋根の下に暮らすのだ

始めは問題も多かった

祐一「佐祐理さんのお父さんの説得が一番大変だったっけ」

俺は苦笑しながら呟く

猛反対を食らった俺たちは、毎日のように頭を下げに佐祐理さんのお父さんを訪ねた

他にも食事のこと、家賃のこと・・・

だけど3人で過ごす日々が楽しかった

今は問題も片付いて、3人は平穏な生活を送っている

たまにアクシデントもあるが・・・

祐一「よしっ」

着替え終わった俺は、佐祐理さんと舞の待つダイニングへと向かった

舞「祐一、おはよう」

まだ、舞の顔には赤見が残っている

祐一「あぁ、おはよう」

佐祐理「今日は時間があったのでお味噌汁にしてみましたー」

祐一「おぉ! 美味そうだな」

佐祐理「じゃぁいただきましょう」

「「「いただきます」」」

祐一「佐祐理さんっ 美味しいよ!」

舞「・・・美味しい・・・」

佐祐理「あははーっ 嬉しいです。おかわりありますから、どんどん食べてくださいね」

その後は今日の天気や、テレビの占いの話をしながら朝食を済ました

舞「ごちそうさま」

祐一「ごっとさん」

佐祐理「お粗末さまでした」

舞は自分の部屋に戻ってゆく

おそらく着替えにでも行ったのだろう

祐一「ところで佐祐理さん」

佐祐理「はい?」

祐一「さっき何言おうとしてたんですか?」

佐祐理「あぁ あれはですねー。『祐一さんが舞の胸を触ったからですよ』って言おうとしたんですー」

祐一「ぐあっ それで・・・ 俺、寝ぼけてたんですね?」

佐祐理「はい」

爽やかな笑顔ですがすがしい返事をされた

そんなことをすがすがしく言われても・・・はぁ

後で舞に謝っておくか

佐祐理さんは着替えていて朝食の後片付けをしている

ちなみに食事は3人の当番制だ

俺は着替え終わっていて、いつでも学校に行ける状態だったのでのんびりと2人を待っていた

名雪と暮らしている頃とは大違いだ

酷いこと言ってるよー

祐一「うおっ 名雪の声が・・・って気のせいか」

佐祐理「祐一さん行きますよー」

いつの間に準備が出来たのか、舞と佐祐理さんは並んで玄関に向かっていた

俺も急いで玄関へ行き二人に追いつく

祐一「舞、さっきはごめんな」

舞「??」

突然の謝罪を受けた舞は頭の上に?マークを2,3個浮かべている

祐一「その、なんだ。舞の胸をだな」

俺は赤くなりながら言う

舞が気付いたようだ。一気に真っ赤になる

佐祐理「ごめんね、舞。言っちゃった」

ぽかっ ぽかっ

佐祐理「きゃぁ きゃぁ」

舞「佐祐理、喋った」

舞が真っ赤な顔で佐祐理さんにチョップを入れている

祐一「俺が佐祐理さんに聞いたんだよ。すまなかったな」

舞「祐一だから・・・気にしない」

舞の手が止まり、俯いて言う

嬉しいことを言ってくれるよ、まったく

舞と俺が恥ずかしがっていると

佐祐理「はぇ〜 もぉこんな時間ですよ。祐一さん、遅刻しちゃいますよ」

祐一「おぉ そうだった。行くぞ舞!」

舞「はちみつくまさん・・・」

こうして俺たちは仲良く家を出る

佐祐理さんと舞は大学生でもっと遅い時間でも大丈夫なのだが俺に合わせてくれている

花が散り、新緑の芽に覆われた桜の横を3人で歩いてゆく

俺はふと不安にとらわれる

3人でこうして平穏な時間を過ごせる

俺の大切な人が側にいてくれる

俺は幸せだ。そう十分すぎるほどに・・・

だが舞と佐祐理さんはどうだろうか?

俺は幸せを共有できているのだろうか?

舞「祐一?」

佐祐理「祐一さん?」

俺はよっぽど深刻な顔をしていたのだろう

二人が心配そうな顔をしている

祐一「佐祐理さん、舞」

俺は立ち止まり二人を呼び止める

舞「何?」

佐祐理「はい?」

祐一「二人は今、幸せか?」

舞「はちみつくまさん。祐一も佐祐理も側にいて楽しい」

佐祐理「ふぇ〜 何言ってるんですか。佐祐理は舞と祐一さんが側にいてくれてとっても幸せですよ」

それぞれ満身の笑みで答えてくれる

祐一「そっか」

そんな二人を見た俺からはいつのまにか不安は消えていた

佐祐理「変な祐一さんですね〜」

舞「祐一、変・・・」

祐一「そんなこと無いぞ。ほらっ」

そう言って走り出す

舞「あっ・・・」

佐祐理「祐一さん、待ってください〜」

二人も慌てて追いかけてくる

そうだ

不安になることなんて少しも無かったんだ

俺がいて、舞がいて、佐祐理さんがいる

3人にはそれだけで十分だったんだ

俺は振り返って走る2人に言う

祐一「いつまでも3人、一緒にいようなっ!」

舞「うん」

佐祐理「はいっ」




後書き

再UP完了です
書いたときの感想とかすっかり忘れてしまいましたが
UP時に再読…
ダメじゃん!
ダメ出しするとこ満載ですね そのうち修正版でも書くかもしれません(笑)

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