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オレまに
〔香里の思い〕中編





そしてその夜

私は眠れずにいる

「相沢君…」



〔香里の思い〕中編



「…相沢、君」

もう一度つぶやいてみる

「眠れないわ」

今日のことが気になってるのかしら

広く、暖かい…

………………

…………

……


ちゅん ちゅんちゅん

「ん、もう朝?」

私はすずめの声で目を覚ます

眠れなかったのに相沢君の背中を思い出すだけで寝むっちゃったわね

「安心、できるのかな…?」

・・・学校行かなきゃね

「しおり〜起きなさい。ご飯よ」

私は栞を起こすと朝の準備を済ませいつもの様に学校へ向かう

「お、よぉ」

あら、相沢一団(相沢君、名雪、うぐぅ、あうぅ)だわ

「おはよう」

「おはようございます」

「名雪が起きるとは珍しいわね」

「あぁ、奇跡だな」

「…そうね」

私と祐一が話していると挨拶を終えた栞が祐一の方へやってくる

「祐一さん今日は早いんですね〜」

「あぁ名雪が珍しく起きたからな」

「って朝から何してる?」

挨拶もそこそこに栞ったら相沢君に腕なんか絡めて…

ズキッ (何するのよっ!)

…何これ…胸が苦しい…

「……か……かお、り…かおりったら」

「えっ?」

「もぅ さっきから呼んでるのにぃ」

「あ、ごめんごめん。で何?」

「おはよう」

「あ、あぁ おはよう」

そういえば挨拶してなかったわね…

私は名雪たちと適当に挨拶を済ますとまた歩き出す

「…なんだよ〜」

通学路、名雪たちと話してるけど…

さっきから相沢君と栞の様子が気になって仕方ないわ

「祐一さん、今日も帰りに商店街に寄って帰りましょう」

「今日は奢らないからな」

「えうぅ〜」

ズキッ (そんなにくっつかないでっ!)

…おかしい、相沢君と栞が一緒のところと見ただけで

苦しい

何なのこの感じ…

「おねだりしないなら行くって」

「まぁいいです。今日は服を見ようと思ってましたから」

ズキッ (やめてっ!)

何なのよ…

………

「じゃぁ私はもう行きますね」

「じゃぁね」

「祐一さん、放課後また行きますね〜」

「あ、香里ぃ今日の宿題やった?」

「えぇ、見せてあげるわ」

「ありがとぉ」

………………

…………

……


「ふぅ」

授業に集中しなきゃ…でも…

今朝のことが忘れられないわ

あの感じは何…

相沢君と栞が一緒のところを見るだけで

一緒のところを


ズキッ


これは嫉妬?


でも栞は、


栞も相沢君を…


私は、今まで苦労することも無く生きてきたわ


栞にはこれからは私以上に幸せであって欲しいもの


だから…ダメ…好きになっては…ダメ


キーンコーンカーンコーン

「祐一さんっ、お姉ちゃん帰りましょう♪」

「おうっ」

「えぇ 今日は服を見るんでしょ?」







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